一般的な日本人は、大学まで英語を勉強したとしても、ネイティブの英語はほとんど聞き取れないのが普通です。しかしこれは私達の能力不足なのではなく、学校で「間違った読み方」を叩きこまれてしまうために起こることです。最初からネイティブと同じ読み方をしていれば、英語が聞こえないなんていうことはありません。ネイティブの子ども達は、まず先に音から会話を学び、その後にスペルを学びます。スペルを学ぶ時に「会話の音と合っていない」と思っても、本来の読み方を全部スペルに合わせて変えたりすることはありません。つまり、英語は実際に話される音と、スペルが異なる言語なのに、私達日本人はスペルの方が正しいと思ってしまったために、リスニングができないのです。
それを解決する方法は、「ネイティブと同じように読む」習慣をつけるだけです。
英語は、音がくっついたり、変わったり、脱落して発音されなかったりします。これらのルールは、「リンキング」とか「リエゾン」などと呼ばれています。それらの音の変化にはルールがあり、これを覚えるだけで、ネイティブの英語が聞こえるようになってきます。ここではそのルールをまとめて「リンキングルール」と呼ぶことにします。
一番最初に覚えるべきルールは、
1.子音の後に母音が来たら、音が連結する
ということです。
子音とは、母音(aiueo)以外のすべての音を指します。(s,t,th,L,r,f,v,k,g….etcすべて)
次の文章では、どこがつながるでしょうか。
I’d like to check in.
This is it.
I live in an apartment.
↓
↓
↓
I’d like to check_in. (チェッキンのようになる)
This_is_it. (ディスィズィッのようになる)
I live_in_an_apartment.(アイ リヴィナナパートメントのようになる)
(*)カタカナは決して正しい英語ではありませんが、つながっているところをわかりやすく伝えるためにカタカナ表記にしています。
ここで注意して欲しいのは、「スペル上の子音+母音」ではなく、「発音上の子音+母音」ということです。
上の例の「I live in an apartment.」という文を見て下さい。liveは、スペルの最後がeで母音なのに、次の母音とつながっています。これは、liveは実際にはeを発音しておらず、発音上はvで終わっているため、v+母音ということでつながります。他にも、make it(メイキッ) やtake it(テイキッ)のように、語尾のeを発音しないので次の母音と連結する例はたくさんあります。
次に覚えてほしいのは、
2.「t の後に母音がきたらt は次の母音とつながり、さらに弱いdに変化してしまう」
ということです。
次の文章はどこが変化するでしょうか。「子音+母音」「t+母音」の両方で探してみましょう。
1. Get out of here!
2. Why don’t you try it on?
3. Did you hear what I said?
4. He didn’t know that I was there.
5. Let’s take a carrot, and cut it up.
6. We need eight eggs to make an egg white omelet.
7. I took a bus at Tokyo Station and got off at Shimbashi.
8. I took a frozen pizza out of the fridge and put it in the oven.
↓
↓
↓
1. Get_out_of here!
2. Why don’t you try it_on?
3. Did you hear what_I said?
4. He didn’t know that_I was there.
5. Let’s take_a carrot, and cut_it_up.
6. We need eight_eggs to make_an_egg white_omelet.
7. I took_a bus_at Tokyo Station and got_off_at Shimbashi.
8. I took_a frozen pizza out_of the fridge and put_it_in the oven.
まとめ
『子音+母音は音が連結する』
『t+母音は 音が連結してt が d に変わる』
なるべく毎日、声に出して英語を読みましょう。その際に、必ず上記のルールを書き込んでから読むようにしましょう。継続するとそれが自然に出てくるようになり、またネイティブの英語が聞こえるようになってきます。